ISO10993とは

ISO10993とは医療機器における安全性を評価する方法になります。
この安全性を評価する方法はいくつかありますが代表的なものでは全身毒性試験・細胞毒性試験・変異原性試験・感作性試験・口腔粘膜刺激試験などがあります。
機器の使用部位や使用期間によって評価方法も異なりますが、目的は基本的に同じなのでIISO10993を詳しく知るにはどのような試験を行っているのかを知る必要があるでしょう。

ISO10993の試験方法その1

これはいわゆるマウスを用いた実験でその名も全身毒性試験となります。
これは生体内に進入することで毒性を示すかどうかをチェックするための試験であり、リスクを予測するための試験となっています。
試験の内容は医療機器の原材料化学物質の検体液を用意し、その検体液をマウスなどの被検体の口から摂取させて毒性の確認をすることにあるのです。

口からの摂取後すぐに容体が変化しないタイプの毒もありますので、1回または複数回に分けて口からの摂取を行い、健康状態に大きな変化が発生していないのか、体重の変化はあるのかをチェックします。
ただし、この試験方法は動物愛護の観点や直ぐに毒性のチェックができないというデメリットもあるため、こちらを使用しない試験方法が増えているのです。

ISO10993の試験方法その2

ISO10993の試験方法その2は原材料化学物質の毒性を確認するために培養して細胞の生存率と増殖率がどうなっているのかを調べます。
約100個の培養細胞を試験用のプレートにまいてそこに献体液を添加し6日培養して、細胞の数がどうなっているのかをチェックするというやり方です。
ここで問題なければ細胞のコロニーが播種した細胞の数だけ形成されるので約100この培養細胞があるのなら100個の細胞のコロニーができるのです。
このコロニーの数があからさまに少なければ毒性が高い存在と言えます。

ISO10993の試験方法その3

ISO10993の試験方法その3は変異原性試験となります。
こちらは人のDNAと反応して突然変異を誘発するかどうかを確認するという内容です。
これは一般体細胞が突然変異に巻き込まれると発がんの原因となるため、これは癌を引き起こさないための試験でもあります。
また、突然変異が発生して発がんの原因とならなくても、生殖細胞で誘発された場合はそれが子孫にまで影響を及ぼしてしまうようになるため、影響は大きいのです。

こちらの試験の目的は突然変異を誘発するかどうかとなりますが、試験としてはアミノ酸代謝に関わる遺伝子に突然変異をわざと引き起こした特殊な細菌を用いて、試験に用いる検体がどのような影響をもたらすのかを調べるというやり方です。
もし突然変異を促すタイプだと細菌の遺伝子が逆に戻ってしまうので観測が可能なのです。