A/B/C規格とは?
A/B/C規格とは、主に機械技術における規格を分類するための規定です。
機械技術においては、その製造や使用範囲が非常に多岐にわたるため、規格が膨大なものとなっています。
また、関係する作業や作業員も状況によって大きな違いが出るため、全体として統一した規格を作るためには、相当な量の項目が必要となります。
実際に機械安全の国際規格である「ISO/IEC」は非常に長く項目点数が多いもので、そのまま読んでも複雑過ぎて理解しづらいところがあります。
そこで、より分かりやすく分類するために、この機械安全の国際規格を3つの階層に分けてまとめているのがA/B/C規格です。
関連する作業や考え方、必要とされる動作ごとに検索していけるので、規格を参照したい人がすぐに必要な情報を得られるように助けるのが目的となっています。
機械類を設計し製造するに当たっては、現場や工場で使用する作業者の安全を保証する必要があります。
そのためには、明確に定められた安全基準を守って設計、製造をすることが大事です。
そのために安全規格が設けられているのですが、A/B/C規格では、設計を始めるに当たって開発する機械に対してどの規格が該当するかを確認するのに役立ちます。
また、機械というのは非常にバリエーションが豊富で、独創的な設計の物もあります。
そのため、ある規格が当てはまるものもあれば、まったく当てはまるような規格が見つからないケースも出てきます。
そこでA/B/C規格では、より包括的な原則も区分の中で見つけられるようにしていて、細かなルールを発見できないとしてもすべての機械設計に適用できる大枠での考え方を提示しています。
こうすることで重要な原則を適用して、安全を担保した形であらゆるタイプの機械を製造できるようになります。
A/B/C規格の内容
A/B/C規格は、この名称からも分かるように3つの階層から成り立っています。
まずA規格は基本的な概念について示すもので、あらゆる機械設計・製造に適用されるものです。
設計する際の原則や、一般的な安全に関する考え方を示しています。
B規格は「グループ安全規格」とも呼ばれていて、汎用性が高く一般的によく使われている機械類について適用できる安全規格を集めています。
非常に広範囲にわたるものですが、一例を挙げるとスイッチやセンサー、電気設備、非常停止機器、インタロック、マットセンサーなどがあります。
それぞれのジャンルの機械において、どのような安全基準をクリアすべきかが明記されている部分となります。
そして、C規格は特定の機械についてより細かな安全基準を示すものとなっています。
たとえばエレベーターや産業用ロボット、工作機械などがあり、より大きくて安全性の確保の重要度が高いものが含まれています。