UL4600とは

UL4600はアメリカの第三者安全科学機関であるULが発行している自律走行製品評価の安全規格です。
日本のCMでもいろいろと言葉として用いられている『自立走行』や『自動運転』は今までのリスク管理では補うことができない範疇が多く存在しており、安全評価規格も今までのものよりも大幅に変更した特別な規格を用意する必要があったのです。
この規格は2020年4月20日に発表されたものであり、非常に新しくまさにこれからの未来を指し示す発行として世界レベルで注目されている規格となっています。

規格の特徴

自動運転が当たり前のように公道を走るようになるためには非常に重要となってくるUL4600は一言でまとめると『自律走行車両における安全評価規定』となっております。
UL 4600は米自動車技術会(通称SAE)が定めている自動運転の基準レベルを突破している自動運転車が合格となるという明確なラインを設けている中立的な規格です。

あくまでも一企業に依存しないように自律走行システムの構築において特定のテクノロジーの使用を義務付けるといったルールは一切入っておらず、設計に用いるべきプログラムもかなり寛容なものとなっているのです。
自立走行車両における安全評価を突破できるかどうかにポイントを置いています。
また、この分野はまだまだ発展途上ということもあり急速的な進化が考えられるため、自律走行技術の使用を無理に制約しないことも目的にしているのも特徴です。

様々な国が参加している規格

この規格は自動車メーカーが存在しているあらゆる国々に影響がある企画であるため、企画の策定には非常に多くの国が参加しています。
実際に策定のために規格策定パネルが用意されアメリカ以外にイギリス・ドイツ・中国・シンガポール・スウェーデンなどの国々から自動車メーカーや保険会社や大学や消費者保護団体が参加することで作成されたのです。

自動車メーカーのみが参加してできた規格ではないというのも特徴の一つですが、この規格を通すために多くの人たちが関わったことで知識の共有を図ることができたというのも大きいでしょう。
日本では一般財団法人日本規格協会(JSA)がこの規格を日本国内に普及させるために、同規格の対訳版を発行しています。

これからの日本がどのように変わるのかが注目

2020年4月1日は日本が自動運転レベル3を解禁した日でもありますが、アメリカはUL 4600を発行した日として自動運転における特別な日となったのです。
自動運転レベル3は日本が先行するという形になりましたが、自動運転レベル4はアメリカが先行するという形になるといわれております。

また、2020年6月2日には規格策定においてなかなか手を取り合うことができていなかった米自動車技術会と米保険業者安全試験所(通称UL)が手を結んで規格を協調するという路線に切り替えたため、自動運転にまつわる規格策定が加速度的に進んでいます。
日本もこの流れに置いて行かれないように必死についていく形になるでしょう。