小型船舶の乗船者はライフジャケットが義務化

国土交通省の関係法令改正に伴ってライフジャケットの着用義務が拡大します。
これは2018年2月1日からの法改正であり、小型船舶におけるライフジャケットの着用が義務化されたという内容になっているのです。
ライフジャケットを着用することで海中転落時の死亡率が73%から40%まで少なくなるというデータもあるため、人命のための法改正ともいえるでしょう。
死亡率の計算だと若干少なく見えてしまうかもしれませんが、逆に生存率で考えるとライフジャケット未着用時は27%しかなかったのが着用するだけで60%にまで上昇しているので非常に大きな変化と言えるのではないでしょうか。

違反した場合どうなるのか?

基本的にこのルールは乗客員全員が該当するものであり、違反した場合は小型船舶操縦者に違反点数2点が付けられて再教育講習の受講が必須となります。
また、過去3年以内の処分前歴がある人だと3点以上の原点で業務停止命令が出てしまうので、この原点は非常に大きなものとなっているのです。
自動車免許においても同じように違反累計点数が付けられますが、小型船舶操縦者のほうが違反累計点数が増加したことへの影響が早く出てしまうので要注意です。

ライフジャケットにもタイプがあるので要注意

ライフジャケットには実はいろんなタイプがあり、そのタイプによってクリアしている安全基準も異なります。
まず、ライフジャケットには『誤った方法で着用されないように作られたものであること』とか『浮力 7.5kg以上(体重 40kg未満の小児用は浮力 5kg 以上、体重 15kg未満の小児用は浮力 4.0kg以上)』といった安全基準が設けられています。
ただし、ボンベで膨張させるタイプと呼気で膨張させるタイプでは安全基準も別々になっているので要注意です。

これらの安全基準をクリアすることで型式承認試験及び検定への合格の印として桜のマークが押されるのですが、ここでタイプ別の違いが出るのです。
まずAタイプの場合は全ての小型船舶でOKとなりますが、Dタイプの場合は陸岸から近い水域のみを航行する旅客船や漁船以外の小型船舶が対象になるなど違いが出てくるのです。
そのため、自前でライフジャケットを用意する人は自分が乗る船舶は何なのかを理解したうえで選ぶ必要があります。

今は点数付与がなくても法令違反になる

船長への違反点数の付与が始まるのは令和4年です。
そのため、今違反を犯したとしても点数は付与されません。
ただし、法令違反にはなりますので無視していいというわけではないのです。
点数がつかないだけと考えてしっかりと法令は遵守してください。
また、ライフジャケットも古くなることでまともに機能しなくなるというケースもあるので、点検および修理は必須となります。